「綺」(き)

きものの「基」「気」「喜」

長野の晩秋を彩る「えびす講の花火」。
自分の中で様々な節目を迎えるごと浮かぶフレーズ・・・「もう1年経つ」。
漆黒の夜空に映える何色もの“煌めき”にうっとりしながら、今年も月並みにそんなことを思う。
大きく開いて折り重なった光の輪が開き切った後、すーっと流れ落ちる星屑のような最後のわずかな瞬間、どこか切なさを帯びた感情とともに。

なんて綺麗なのだろう・・・
大きく咲いて、余韻のような煌めきとともに夜空に消える輝きを見ながら思った。
行かないで・・・消えてしまわないで・・・

肌襦袢を着て、補正をして、そして着物を着付け、帯締めの両端をグッと帯に挟み込んで仕上がった着物姿も、1日の終わりとともに帯をとき、両肩から離れていく着物のわずかな重みに心の奥底でいつもほんの少々切なさを感じながら思う。
もっと着ていたい・・・

香しいバラも、バラの陰で咲くと言われるユリも、晩秋の夜空に消えて行った花火も、瞬間の美しさを思い切り放って消えてしまうもの。
美しさと背中合わせの“はかなさ”を夜空の向こうに見つめながら、1年の終わりが近づいていることを思う。

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文・写真:堀内利子(ハーバルセラピスト)

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「きもの便り」冬号

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