「着」~和しぐさ

きものの「基」「気」「喜」

2月のカレンダーの中にある“春”
季節が確実に動いていることを「立春」の二文字は伝えてくれます。
春の気配が少しずつ増していく月、それが2月。

大和撫子のマナーの一つ一つを「和しぐさ」とよぶのだそうです。
それによれば、2月の「和しぐさ」は“歩く”。

春の足音に歩調を合わせて、はんなりと“歩く”。
決して、ズカズカ歩くのでも、ドシドシ歩くのでもなく、静かに、そして、たおやかに。
そこに芽吹きの時の躍動感と、春への賛美をこめて。

しかるに「和しぐさ」は、お洋服では表現しきれない“きせ”のようなものを秘めているものだと思うのです。

着物を着て歩くことは、明らかに洋服の時とは違います。
歩幅も限られ、つま先が自然と内側に向かいます。
そんな立ち居振る舞いやしぐさの中に季節を意識することで“和”の世界の奥深さの一面を見ることができるのですね。

“歩く”月、如月(きさらぎ)。
お洋服を着て過ごす日常の中でも、イメージとして「着物を着て歩いている」ことを、ほんの少々だけ・・・意識してみましょう。
春の気配がどんどん近づいていることを、敏感に感じ取れる瞬間がきっとあるはずです。

文・写真 堀内利子(ハーバルセラピスト)

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