彩の季 いろどりのき

きものの「基」「気」「喜」

秋はお月見、春はお花見。
春のお花見の代表は何と言っても“桜”ですが、みごとに咲き乱れる桜には、主役を引き立てる“脇役”など必要ないと思えてしまいます。
秋のお月見の脇役はススキだったり、お団子だったりするのに。

薄ピンクの繊細な桜の描かれたキャンバス、そのバックに広がるのは春の優しい青空。
そして月を引き立てる背景は漆黒の夜空。
春の桜は陽で、秋の月は陰で・・・そんな季節の贈り物が絶妙なパワーバランスで、いつの時代も人の心に微細な“波”を届けて続けてくれていたのでしょうか。

桜のお花見の由縁をたどれば、それは平安貴族の時代にまでさかのぼるようです。
平安貴族は桜の花を特別な花として愛でながら、歌に詠み、花見の宴に興じていたのだとか・・・
天を仰ぎ、その空を覆い尽くすような桜の花の下で繰り広げられた貴族の優雅な宴も、現代の私たちの「お花見」も、きっとどこか通じるものがあるように思います。

平安の人々も、現代を生きる私たちも同じ桜を見て、春の訪れに感謝しながら桜の美しさに酔いしれていたことでしょう。

桜の次にはオオイヌノフグリ、たんぽぽ、菜の花、花もも、牡丹、椿、チューリップ。
5月になって花の女王バラが一斉にその美しさと香りを辺り一面放つ頃まで、春の花々の饗宴は続きます。

日本の自然には八百万(やおよろず)の神々が宿ります。
桜もまた、山から下りてきた田の神様が宿る木とされ、農民にとって豊作祈願の行事でもあった「お花見」。

その根底にあるのはやはり「和」の心、「和」の思いなのでしょうね。

文・写真 堀内利子(ハーバルセラピスト)

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