京都にて

きものの「基」「気」「喜」
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”きものの「基」「気」「喜」”。今回のテーマは、少しそれて、「起」。起こす(おこす)。

木曜日の夕方は踊りのお稽古でした。浴衣姿に、髪をきれいに横わけにして、ピンで留めました。へこおびを母に直してもらったら、「わたる道路を気をつけなさい」との声も向こう側に、急ぐその先。お稽古場になっている美容室のらせん階段を息を切らせながらあがりました。遠い記憶。

起こす。

浴衣の襟でさえ、抜き加減は、難しい。上品にも、粋にもなりますし、 その反対の印象にもなってしまいます。抜き加減の前の基本。今のお道具は、きちんと補助をしてくれます。

道(どう)のつくお稽古では、そよ吹く風の気配にも涼を感じなさいと言われたけれど、クーラーのリモコンの先にあるそれが今日の日本の涼。

変わるものと、変わらないものが共存できるように。

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帯をリメイクしたカバン

 

アイスコーヒーにそそぐフレッシュを細いストローでかき混ぜながら、通りの向こうでは、海外からの観光客向けのお土産を売る帯をリメイクした店の陳列が並びます。

覗いてみたくなって立ち寄った店の奥では、職人さんが、額に汗をにじませて、帯が帯としてそこにある美しさを恋しがるように、針も通さぬ帯の強さを推してリメイクの斜めがけのカバンを縫われていました。

「calligraphy」「 samurai lesson」「 rental kimono」海外観光客に向けたメニュー。大きな声のタレントさんが叫ぶ、「WHY JAPANESE PEOPLE」。

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立ち寄った喫茶店では浴衣姿の男女が多いことに驚かされました。暑い午後。こんな風景が、善光寺さんに続く中央通りでも見られるようになったなら、それはそれは素敵な景色になるだろうなと思いました。

from F塚

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