椿と山茶花(サザンカ)はとても似ています。
その違いをどこで見分けるのかというと、それは花の「散り方」。
花がそのままポトリと落ちる椿。
花びらを1枚1枚散らすサザンカ。
咲いたままポトリと落ちる様が「縁起が悪い」と忌み嫌われてしまうという側面もありますが、逆に潔いとも言えましょうか。
終焉とともに、1枚ずつ花びらを落とすサザンカの風情も、またそれはそれで。
「散り方」は「生き方」そのままに、通じるものかもしれませんね。
椿の花言葉はいろいろあるのですが、少々変わった「花言葉」もあります。
それは「罪を犯す女」。
「椿姫」というフランスの小説がありますが、それは娼婦と青年の恋物語。
娼婦と青年が恋に落ちるのですが、最後は娼婦が青年を裏切り、悲しい別れが待っていました。
でも実際には娼婦の裏切りは、青年を愛するがゆえの行動だったのです。
であるなら、椿の花言葉「罪を犯す女」には、「愛のために」という言葉が本当は隠されていたのですね。
愛することに理由は要らない。
椿の潔い「声」が聞こえるような気がします。
文・写真 堀内利子(ハーバルセラピスト/西洋占星術研究家)