「マンネンロウ」と言われたら
???「はあ?」となる方が多いのでは、と思います。
実はマンネンロウとは、ローズマリーの和名。
「マンネンロウ」は中国から日本に入ったとされていますが、漢字で書くと「万年蝋」となるそうです。
そういえば若干年齢層の高めの方々に愛好家の多い「おもと」も、「万年青」と書きますね。
ローズマリーは常緑で、変わることなく1年中優雅な香りを放ちます。
そんなところからなのでしょう、花言葉は「永遠」「記憶」「思い出」「変わらぬ思い」等々…となっています。
ローズマリーが愛と死のハーブと呼ばれる所以には、ヨーロッパを中心に様々な逸話や神話が残されていますが、シェイクスピアもその作品の中にさりげなくローズマリーを登場させていました。
有名なところでは「ロミオとジュリエット」のクライマックス、ロレンス神父の言葉の中に。
「永遠に変わらないもの」の象徴として用いられることの多かったローズマリーは、慶事では「永遠の愛」を。
そして愛する人との悲しいお別れの時には「永遠に変わらぬ思い出」を。
仏事にも慶事もオールマイティに両用!という和の植物はなかなかありませんね。
さりげない庭の生垣に、神秘的な深い香りを放つローズマリーを見かけたら、思い切り香りを吸い込みながら深呼吸をいたしましょう!
今マンネンロウは、マドンナブルーと呼ばれる神聖な青い小花をつけています。
文 堀内利子(ハーバルセラピスト/西洋占星術研究家)