その日、長野は小雨。
夏の暑さを思い切り引きずった後の9月後半から、雨季のような長雨と曇りばかりで爽やかな秋を体感できないまま10月へ。
緩やかさのまるでない夏から秋へのバトンにとまどうかのように、やたら風邪ひきサンも多い。
東京へ向かう新幹線の車内の空気が、どことなくツーンと張りつめていると感じる頃、そろそろ軽井沢にさしかかる。
かつては目的地だった軽井沢が、北陸新幹線の延伸で「通過点」の一つになってしまった。
だから、「かがやき」に乗ると、意識していないとあっという間に軽井沢を通り過ぎてしまう。
気温が下がってしかもこんな小雨の日、思った通り軽井沢は霧に包まれている。
なんて幻想的で神がかった情景・・・
そしてそれが軽井沢にはとてもよく似合う。
木立を白く霞め、そのシルエットを曖昧にしながら、ぼんやりとした陰影だけを見せてくれる「霧」が、私は大好き。
たぶん・・・
時間の流れと共にいろいろなものが変化を重ねる中で、その全貌をくっきり、はっきりと肉体的に示せる時代=誇示できる時代(苦笑)もあったけれど・・・
そんなあれこれをベールに包んで、すべてを見せないこともまた「粋」なこと。
残念ながら年齢を重ねた肉体のあちこちをさらけ出す勇気は年々なくなって、いかに「隠す」かの世界に入りつつある自分に苦笑いしながら。
“そう、賢い大人の女性は、いかに見せないでその魅力を放射状に放てるか・・・なのよ”
ふとした所作の中で、着物の裾からほんの少しだけ足首が見えた瞬間。
年齢に関係なく、そこにまぶしいほどの女性らしさがあふれ出る。
見せるよりも隠す方が、本当はとってもセクシーなことを、深まりゆく秋の軽井沢の霧が教えてくれる。
文・写真 堀内利子(ハーバルセラピスト)
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ご無沙汰していましたが、f塚です。先日、善光寺さんで七五三のお参りに行く家族連れを見かけました。お孫さんの帯を直されていたお祖母様の嬉しそうな笑顔が印象的で、こちらも心が暖かくなりました。着物姿のお母様にとってもお祖母様もそろってのお祝い事は心強かったろうと思います。着なれないと引っ張る場所ひとつで、”ぴっ”となったり、ならなかったりしますもの。
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