「うどん」でなくて、たまには「すいとん」も・・・
立春を過ぎてもまだ春には遠い、雪化粧した山並みを見ながらふと思う夕暮れ時。
カボチャや大根、ゴボウも入れて味噌味にしたすいとんは、なんとノスタルジックな食べ物でしょう。
日頃は醤油味ですが、味噌にするところにたまらない郷愁を覚えずにはいられません。。
冬の越冬野菜はたくましさに満ちて、地域の「粉食」を支えてきたことを、母から聞く祖母や曾祖母の昔話に思います。
冬の野菜と小麦粉と、長寿県信州のパワーの秘密ともいわれる「味噌」のトリプルパワーで作る最強の郷土食すいとん。
うどんのようなスマートさはないけれど、「耳たぶのように」といわれるすいとんの硬さは家ごとにみな違う、母の味。
二十四節気も「立春」からスタートし、まもなく「雨水」を迎えますが、その頃には少しずつ春の足音が聞こえてくることでしょう。
福寿草とふきのとうが春を競いながらその姿を見せてくれる日も、きっと遠くはないはず…
日陰の根雪が「雨水」になるのはまだ当分先のように思いますが、せめてそう信じながら。
文・写真 堀内利子(ハーバルセラピスト)
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