クリスマスソングや街中のイルミネーションの輝き、残り少ないカレンダーに雪の便り・・・
一年の終わりを感じさせるものが身に迫る季節。
「終わり」には一抹の寂しさがつきまとうけれど、今年が終わっても大晦日の翌日には華やいだ新年が始まるように、終わりは新しい始まりへと必ず繋がっていく。
「結ぶ」ことで区切りをつけ、新しいものへと「つなぐ」・・・
一年というサイクルも人の一生も、着物を着ることと似ているかもしれない。
肌襦袢に長襦袢を重ねるように時を重ね、着物やシーンに見合うよう半襟を選び、帯や小物を合わせていく。
それは、いくつもの不安や迷い、悲喜こもごもの毎日の中いくつもの結び目を作り、ほどいたり、また結んだりしながらも繋いでいく作業と・・・。
帯の位置を高くすることで「若さ」を強調した遠い昔。苦しくても気の抜けない「着物」は憧れの中にも物理的な苦しさを伴った。
けれど時を重ねた今、無駄な動作も減って帯の位置も下がり、さりげなく気楽に着こなせる自由が与えられたように思う。
着物を着ていく過程、いくつかのポイントがきちんと決まると心地よいように・・・
できるならそんな瞬間がいくつも巡ってくる新年でありますように・・・
ままならないのが現実
でも、せめて希望だけは高く、大きく、エレガントに。
文・写真 堀内利子(ハーバルセラピスト)