和装・和のこと vol.3

花嫁修業という言葉は、今もあるのだろうか。

80年代半ば、世の中は今よりずっと安定していて社会も人も今よりずっと健康だった頃。
女性のたしなみは「茶道」「華道」に始まり「日本舞踊」に「和裁」だと、両親に言われるまま和心たっぷりの習い事に明け暮れた時代が私にもあった。

茶道・華道けれど「和系」とはいえ、和裁と「お茶」のお稽古だけは今思い返しても実につらい思い出だけが残っている。

あの時代の最先端「フラワーアレンジメント」を軽やかに習っていた友人を横目に見ながら、お茶のお作法、そして遅々として進まない和裁のお稽古は、私にとって苦痛以外の何ものでもなかった。

一体どうやってあの二つの習い事から解放されたのかさえ、今ではもう思い出せないけれど。
ようやく縫い上げた1枚の着物と、先生からいただいた「袱紗(ふくさ)」は今も私の手元にあって、時折先生方をしのんでいる。

《先生方からいただいた教えは、出来の悪い弟子だった私の中にこうして今も和心としてしっかりと残っているようです》

もうお二人ともこの世にはいらっしゃらない。
そしてふと気づけば、私自身があの頃の先生と同じくらいの年齢になっているのではないだろうか。

文・写真 堀内利子(ハーバルセラピスト)

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