”気配を感じるということ ” 和装・和のこと VOL.26

コラム 和のこと

春夏秋冬の四つの季節、さらにそれぞれを六つに分けた「二十四節気」。
四季の変化に富むこの国の豊かな自然の循環の中で、はるか遠い時代から先人たちはそれを季節の道しるべとして日々の営みを繰り返してきたことでしょう。
カレンダーがあり、正確な時刻を知るすべがあってもやはり、季節ごと「二十四節気」の一つ一つが、肌に触れるような温度感とともに、今も私たちの暮らしの中に息づいていることを実感しております・・・そろそろ平地にも雪の便りが訪れるという「大雪(たいせつ)」ですね。
私たちを当たり前のように包む「空気」、この時期特有の冷たい「冷気」や「寒気」、それらは決して目で見ることはできないものです。
周囲の景色を見て、晩秋の冷たい風を肌で感じて、その冷たい風に舞い踊る落ち葉の音を聞いて・・・そんな「気配」で季節の移ろいを本当は誰もが敏感に感じ取っているものなのかもしれません。
12月の着物の柄として「雪輪」や「冬景色」更紗などの「異国模様」などがありますが、他の月に比べ花などの植物柄が少ないのも、やはり12月ならでは・・・でしょうか。
「二十四節気」は節分を前に一巡を終えますが、1年の終わりを意識しながら何となく「師走」に向けてざわつく思いにかられているのは、私だけでしょうか(微笑)。

文 堀内利子(ハーバルセラピスト)

イメージ写真 「足成」より

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