誰もが知る遠距離恋愛の恋人といえば、織姫と彦星のカップル。
それは天の川をはさんで向かい合う、こと座のベガ(織姫)とわし座のアルタイル(彦星)。
天の帝により結ばれた2人が、互いの仕事さえ忘れてしまうほど2人の時間に酔いしれてしまったがために、引き離されてしまったという物語・・・
年に1度の七夕の夜にだけ、会うことを許された織姫と彦星が天の川を渡るというロマンチックなお話も、実際には…ベガとアルタイルは光の速さでも15年もかかるほど離れているので、七夕の夜にだけ近づくというはずもなく、一年に一度だけその距離が近づくものではない。
・・・そんなことを知ってか知らずか昔の人は、たらいに水を張って二つの星を映し、その水をかき混ぜて二つの光を一つにしてあげたのだとか・・・
互いを想いながらもままならぬ恋人同士がいて、そんな2人をそっと支える人がいて、若い男女はいつの時代も大人たちに守られているのだろうか。
・・・様々なカップルの「かたち」があるのだと、しみじみ思うことが多い今日この頃。
夜空に流れる星々の集まり「天の川」は、夏が一番きれいに見える季節。
そんなたくさんの星々のように、いくつもの「かたち」を重ねながら、夏の天の川を見上げる。
2人を隔てる「天の川」のその川幅は、時には狭く、また時にはとめどなく広がってしまうものなのかもしれない。
寄せては返す荒波を超えたアラフィフな私は、織姫と彦星のロマンチックな逢瀬より、2人を隔てる「天の川」の星々にどうしても目が行ってしまう・・・
男女の甘やかなロマンチシズムよりも、その先にある現実を知ってしまったアラフィフは夢がないと思われてしまうかしら・・・。
文・写真 堀内利子(ハーバルセラピスト)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
七夕、星まつり・・・短冊。手習い事に長けていた織姫にちなみ、この星に、女性が技芸の上達を祈るようになったことから、様々な願い事がそこに書かれるようになったのだとか。
祖母の手縫いの浴衣で、出かけた夏祭り。技芸達者な織姫は、祖母であったと思い出す。
天の川に願いを託し、技芸を磨く・・・。現代の織姫たちは、コチラにいます。