「それで着物はどんな色ですか?」
髪をアップにセットしていただきながら美容師さんに聞かれ、返答に困ってしまった。
「青と緑とグレーを4:3:3で混ぜたような色・・・でしょうか」
一般的な色の概念では即答できない、それがまさに「和の色」なのだと、その時ふと気付く。
その日は従弟の結婚式。
久しぶりの着物は、神戸で着付け師をしている叔母が張り切って着せてくれた。
「あんたに成人式の着付けはしてあげられなかったけど、今日は任せてな」
思えば…自分以外の誰かに着付けをしてもらったのは、その時が生まれて初めての経験。
叔母の軽妙な動きとともに、みるみるうちに着物も帯も整ってゆく。
「きつくない?そしたらもう少し締めるで」
腰ひもがウエストを回るたびに、身も心も引き締まっていくこの感覚。
“そうそう、これこれ”・・・・・
頭のてっぺんから天に伸びるピアノ線が、すーっと引き上げてくれるような気がしてしまうから不思議。
着物の心地良い拘束感、自然と内向きになる草履の足さばきが更に心地よい。
“そうそう、これこれ”
見えない緋色の八掛(はっかけ)が、老緑(おいみどり)色のシックな着物を更にエレガントに引き立てる。
背筋がきれいに伸びて、歩くたびに軽くひるがえる美しい緋色の八掛の衣擦れ(きぬずれ)の音を楽しみながら思った。
“そう、もっと着物を着よう”!と。
・・・・翌日、背中の貝殻骨周辺の筋肉痛に、日頃の姿勢の悪さを痛感しながら改めて誓う。
“そう、もっと着物を着よう”!と。
文・写真 堀内利子(ハーバルセラピスト)
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f塚です。木漏れ日に春を感じながら、ホワイトデーに息子からもらった小さなハートのホワイトチョコでお茶、幸せです。甘いものといえば、長野校のあさこ先生の「あさこ先生のきもの日記」。おきもののお話だけなく、手作りお菓子での失敗談や各地食べ歩き記事など、先生の日常が感じられて、おすすめです。高崎校の吉田先生ブログもアクティブ。歌に踊りに、前座まで(?)!! 先生の横顔が垣間見れる先生ブログもよろしくお願いします。
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