立秋を過ぎて、暦の上には秋が来た。
・・・けれど、言葉だけの「涼」ではとても間に合わない、残暑の厳しい日々。
空調の整った室内から一歩外に出れば、高温多湿な日本の夏がそこにある。
この季節になると毎年胸を駆り立てられる伝統行事。
それは、現在富山市となった、かつての八尾の風の盆。
小説や歌のモチーフになった「越中おわら風の盆」を、一度間近で見たいと何十年越しで恋い焦がれている。
小説「風の盆恋歌」を読んだのは、いつだっただろう。
胸の奥深くに秘めている感情を押し殺すことで、より激しい思いを募らせるような恋愛もあるのだと知った若かりし頃。
儚く、切ない哀愁たっぷりのおわら節に胡弓と三味線の音色。
そして顔も見えないほど深く編み笠をかぶった踊り手が、山あいの古い街並みを静かに練り歩く。
「阿波踊り」が陽なら、「風の盆」は間違いなく陰だろう。
日の当たらないところにこそあるやり切れなさを、私は心底美しいと思う。
夏の伝統行事が一巡する頃にようやく、入道雲の季節も遠ざかっていくことでしょう。
文・写真 堀内利子(ハーバルセラピスト)
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F塚です。先日、地域の盆踊りに、東京から帰省した友人を誘いました。現れた彼女は、姪っ子さんを連れ、紺地のそろいの浴衣姿。参加者の殆どが私服の中、アラフィフの彼女と高校生の姪っ子さんの浴衣姿での参加は小さなコミュニティのお祭りを、パッと花が咲いたように華やかに変えてくれました。
浴衣のお稽古&盆踊りのお稽古をセットにして、地域へ参加。来年の浴衣のお稽古に、こんな企画どうでしょう。三輪甚句にカラス踊り、埋もれた踊りもお稽古して、きちんと踊る。お師匠さんも探さなきゃ。突撃、隣の盆踊りというもどうだろう。
楽しそうだと思う方は、来年のF塚企画に一票を。
では。